だつもうしょう(脱毛症)
脱毛症とは
一方、脱毛症の場合には、明らかな脱毛斑(禿)があり、また少し髪をひっぱる程度で、まとまって抜けます。脱毛症は、上で述べた毛の周期が乱れた病気といえます。脱毛症では、成長期が短くなり、休止期が長くなってしまっているのです。その原因については、精神的ストレス、自律神経異常、末梢神経異常、アトピー素因など多々ありますが、はっきりと原因がわかることは少ないようです。
脱毛症の種類と原因・症状
病型 | 原因 | 部位 | 症状 | 経過・予後 |
円形脱毛症 | 不明 | 頭部・眉毛・ひげなどの一部 | 2〜3cm位の円形脱毛斑が1〜数個生じる | 2,3ヶ月で治癒するが、再発することがある |
びまん性脱毛症 (多発性)
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不明 | 頭髪全体 | 円形の脱毛斑が多発し、融合して全頭におよぶ | 長期にわたって発毛しなかったり発毛しても再び脱毛したりして再発しやすい |
汎発性脱毛症 | 内分泌異常 | 全身 | 全身の毛の脱落 | 治癒が非常に困難 |
壮年性脱毛症 | 遺伝・男性ホルモンの作用(*) | 頭部 | 額の生え際から次第に抜ける場合と頭頂部から円形に抜ける場合がある | 再発毛を望むことは困難 |
脂漏性湿疹の炎症による脱毛 | 湿疹の炎症が強く毛包までもこわしてしまうため | 頭髪(脂漏部位) | 頭皮のふけ、かゆみを伴って脱毛がみられる | 治療により湿疹の炎症がおさまると自然に治る |
治療
いろいろな治療法がありますが、当院では以下の治療から、症状に合わせて治療法を選択しています。
- 外用療法
フロージン液(脱毛予防・発毛促進)を1日2回地肌に塗ったのちマッサージします。
- 内服療法
セファランチン、グリチロン、グランダキシンなどの内服。重症例ではときにステロイドの内服をします。(発毛効果がすぐれてる反面,急に中止するとすぐ再発したりする場合があります)
- PUVA療法
ソラレン(紫外線にたいする感受性を増強する薬)を塗ったのちに長波紫外線(UVA)を週1,2回照射します。
- SADBE療法
2%SADBEアセトン溶液で感作(アレルギー反応)させて,1〜2週間ごとに1〜 0.0001%のSADBEアセトン溶液を塗って発毛を促進します。(発毛まで1 〜9ヶ月要するが3ヶ月位までに70%が発毛するが副作用としてかゆみが強いことがあります。)
- 冷凍療法…液体窒素を脱毛部に数秒あて発毛を促進します。