今月号に武田常任理事が「病院救急医療へのサポート」を寄稿している。勤務医の過重労働問題に端を発した地域医療崩壊への危機感が、開業医が協力し病院を支えていこう、勤務医・診療所医師が協働して地域の医療を守ろうという意識を会員のなかに芽生えさせ、それが平日夜間診療所の開設など具体的な動きへと繋がっていったのではと考えている。例えば、新庄最上地区医師会での定点化した平日夜間診療所の開設、寒河江西村山郡医師会での県立河北病院への開業医による夜間救急外来のサポートなど、各地区で診療所医師による病院勤務医の負担軽減へ向けての取り組みが進んでいる。これらの動きは、有海会長、武田常任理事はじめ、各地区の関係者の精力的な活動に負うところが大きく、その尽力には頭が下がる思いである。
さて、勤務医の過重労働問題を解決するために県医師会に創設されたのが、地域医療連携体制検討委員会である。病院救急医療へのサポート体制については、それなりの成果がみられたので、本年度は地域連携パスについて議論を重ねてきた。しかし、なかなか思うように進まない現状がある。地域連携パスは、病院、診療所の医師のみならず、(訪問)看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、ケアマネジャーなど多職種が連携して患者を地域で支えていくためのツールである。また、パスは患者の到達目標(アウトカム)と、それを達成するための適切な治療、検査、観察事項など(タスク)を参加施設で共有することで、標準化(画一化ではない)された医療、介護を提供する。さらに、蓄積した情報を分析することでパスの改善につなげ、地域全体としての医療、介護のレベルアップが期待されている。今後、地域の医療・介護を質的に向上させるためには是非とも取り組むべきテーマであるが、乗り越えなければならない課題も多い。
すべては患者のため住民のため、という共通の理念を、施設や職種の垣根を越え、地域で共有することが最初の一歩となると考えている。
さて、勤務医の過重労働問題を解決するために県医師会に創設されたのが、地域医療連携体制検討委員会である。病院救急医療へのサポート体制については、それなりの成果がみられたので、本年度は地域連携パスについて議論を重ねてきた。しかし、なかなか思うように進まない現状がある。地域連携パスは、病院、診療所の医師のみならず、(訪問)看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、ケアマネジャーなど多職種が連携して患者を地域で支えていくためのツールである。また、パスは患者の到達目標(アウトカム)と、それを達成するための適切な治療、検査、観察事項など(タスク)を参加施設で共有することで、標準化(画一化ではない)された医療、介護を提供する。さらに、蓄積した情報を分析することでパスの改善につなげ、地域全体としての医療、介護のレベルアップが期待されている。今後、地域の医療・介護を質的に向上させるためには是非とも取り組むべきテーマであるが、乗り越えなければならない課題も多い。
すべては患者のため住民のため、という共通の理念を、施設や職種の垣根を越え、地域で共有することが最初の一歩となると考えている。