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シンポジウム「ITは医療を変えるか」



11月23日の庄内医師集談会第20回記念大会において、シンポジウム「ITは医療を変えるか」を行うことになりました。


基調講演では、「鶴岡地区医師会情報化の歩みと現状」として、筆者が当地区医師会の情報化の歩みを概説し、情報化がこの地域にもたらしたものを総括します。また、今後の課題、展望にも触れたいと思っています。


酒田地区医師会の諸星先生からは「酒田地区医師会病診連携システムの現況」と題して、酒田地区医師会のIT化の取り組みをお話しいただきます。酒田地区では、診療所からインターネットを介して病院側のCT予約が自由にできるシステムを運用しています。システム導入までの経緯や運用の現状についての話を聴けるものと思います。


次に、土田兼史先生から当地区で来年早々に稼動予定の「1(地域)生涯/1患者/1カルテ」の実現を目指した地域医療機関連携 ・ 統合型医療情報システム(Net4U)について、「Net4Uの紹介とその目指すもの」と題して講演頂きます。ITを活用した近未来型の医療形態Net4Uの概要説明とこのような新しい医療形態が必要とされる背景およびそれが目指すものについて、(熱く)語ってもらいます。


最後に、ゲスト講演として岐阜市医師会の越野陽介先生から「岐阜市医師会におけるIT化の取り組み」という演題で講演いただきます。岐阜医師会は全国でも有数のIT先進医師会です。1992年にはすでに情報処理委員会を設置し、1996年にはインターネットにホームページを公開し、同年FAXによるO-157感染症などの情報配信システムを構築し、非常に有用であったとのことです。その後、イントラネットの構築、インフルエンザやサルモネラといった感染症情報の集計システム、岐阜市介護保険課と医療機関間での介護意見書のオンライン化などの実績を残し、また当地区と同じく経済産業省の医療のIT化事業にも「岐阜市における電子カルテを中心とした診療ネットワークの構築」として採択されています。講演では、これらIT活用の最先端を走る岐阜市医師会の取り組みを紹介していただきます。


さて、現在進行中の医療制度改革では、個人負担率の増加、保険者機能の強化、包括医療の拡大、市場原理の介入など、必ずしも医療にとって好ましくない制度の導入が検討されています。このような、経済主導の政策に反対し、患者本位の医療を実践していくためには、われわれには、無駄を省いたより効率的で透明度の高い医療の提供が求められています。当地域で来年より運用予定のNet4Uなどに代表されるITを活用したより開かれた医療形態がこれらの諸問題を解決する糸口になるのではと、全国的にも注目されている所以です。ITを活用した近未来の医療を語るこのシンポジウムにご期待下さい。