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トップ  >  編集後記(め 2003.05)

めでぃかすとる 編集後記
三原一郎
2003年5月



SARSが大変な騒ぎになっています。県や日医から行動計画とか対処指針とかが発表されていますが、皆さん、実際に疑いの患者さんが来院したらどうしますか?メーリングリストに土田先生が書いておられましたが、来院した患者さんが「疑い例」や「可能性例」だったりしたら、風評被害で閉院に追い込まれる可能性もあり得ます。一般診療所は疑わしい患者も含めて診療所に入れない“水際作戦”、例えば、電話で相談を受けたら「とりあえず病院に相談して下さい」と断る、もし玄関まで(受付まで)来ても門前払いするしかない、のかも知れませんね。SARSが日本に上陸することがないことを祈るばかりです。


一方で、SARS蔓延の原因として中国政府における患者隠しなど情報公開の不備や遅れが指摘されています。今月号に抄録が載っていますが、岡崎先生の「医療事故 ・ 紛争をどう防ぐか」の講演でも、事故防止には情報公開と徹底した原因分析が必要とのことです。何事も「隠さない体質」が肝要なようですが、自分がミスを犯したことを考えると、言うは易く ・・・ではあります。


話は全く変わりますが、当院では4月からORCA(日医標準レセプトソフト)の本運用を開始しました。日常業務では何ら問題なく稼動しております。また、レセプトも地方公費の未対応という問題がありましたが、無事請求作業を終えることができました。ORCAを導入する最大のメリットは、診療情報の標準化にあると私は考えています。今まで請求業務にしか使われていなかったレセコンデータが、今後は電子カルテと一体化し、医療連携、EBM、医療政策などより質の高い医療へ活用されることが期待されます。