山形県医師会報誌 編集後記
三原一郎
2005年7月号
三原一郎
2005年7月号
日本医師会(日医)の広報戦略会議は、隔月の第3木曜日に定期的に開催されています。今までに、混合診療、医療機関における危機管理、医師会としての危機管理などをテーマに議論を重ねてきましたが、前回のテーマは、「医師会のイメージチェンジ」でした。
皆さんも感じておられると思いますが、国民の医師会に対するイメージは、決してはかばかしいものではありません。概して、開業医の利益を守るための圧力団体であって、少なくとも、植松会長が目指す「国民の健康を守る医師会」とは、国民には映っていないのが現状かと思われます。先の会議では、イメージを悪くしている要因として、高収入、開業医のための利益誘導集団、社会奉仕活動をしてない、一部医師の倫理感の欠如、マスコミによる刷り込み、などの意見が委員から出されました。もちろん、このイメージは誤解に基づくものも少なくないのですが、「イメージは実態を反映したもの」とのことでもあり、組織としての日医にはそう見做されても仕方がない面も少なからずあるのも事実なのでしょう。
ところで、先日、医療ミスを繰り返すリピーター医師の再教育を目的とした医療事故防止研修会が日医会館で行なわれました。今後も定期的に行われるとのことですが、この研修会が機能し、リピーター医師が減少したときこそが、日医のイメージアップの好機ではあります。果たして成果を出せるのか、日医の自浄作用が問われるばかりでなく、日医のイメージ戦略にとっても極めて重要な試みです。