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トップ  >  アトピー性皮膚炎のスキンケアー
アトピー性皮膚炎のスキンケア


●アトピー性皮膚炎の二面性
アトピー性皮膚炎の発症因子として、アレルギー的側面以外にドライスキン(皮膚の乾き)が重要視されています。ドライスキンは、皮膚の本来の役割である外界からの様々な刺激を跳ね返すバリア機能が障害された状態であり、普通の人ならなんでもない刺激に過敏に反応するばかりでなく、ダニ、ほこりなどの環境アレルゲンの侵入も容易になっています。 このようにアトピー性皮膚炎にはアレルギー性の炎症と、ドライスキンによる皮膚バリア障害という二面性が存在するため、治療面でも2方向からのアプローチが必要なのです。

 ・ アレルギー的側面 →アトピー型アレルギー →炎症→ステロイドの適応
 ・ 非アレルギー的側面 →ドライスキン →バリア機能破綻による皮膚過敏症 →スキンケアーの適応
●ドライスキンの背景
ドライスキンが増加している背景には、世の中が低湿化していることがあげられます。密閉された住環境の中でエアコンの効いた部屋にいると、角質層の水分はどんどん失われていきます。また、アカこすり、イオウ成分の入浴剤といった無用な誤ったケアがドライスキンを助長させ、さらに、紫外線や温熱、香料などの刺激が病変を悪化させていることも見逃せません。
●清潔と乾燥防止がスキンケアの中心
皮膚バリア障害の治療は、皮膚に付着したダニやほこりを石鹸などで洗い流して清潔にしておくことが前提になります。しかし、汚れは皮脂の中に混入しており、皮脂そのものも汚れとともに洗い流すことになるので、結果的にドライスキンを招くことになります。したがって、石鹸をよく流したあと乳液や、クリーム、保湿剤を塗ったりなどして乾燥に対するスキンケアを励行します。つまり、清潔にするためのスキンケアと乾燥に対するスキンケアという相反するケアを両立させることが大切です。

軽症のアトピ−性皮膚炎はスキンケアのみで十分コントロールが可能です。しかし、皮膚バリア障害があると、アレルゲンが侵入しやすいため、二次的にアレルギー性炎症(湿疹)を来している場合があります。このような湿疹の治療にはステロイドの外用剤が必要です。炎症が治ったら、スキンケアに切り換えていけばよいのです。ステロイドの誤用、濫用を避ける上でも、病態を見極め、それに応じて適切な治療を選んでいくことが重要なのです。
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